2000年始め頃までは、個人の葬式に参列する人は故人と付き合いのある人に加え、家族の知り合いや仕事関係者など、故人とは直接関係のない人が葬儀に参列することが多かったので、参列者の数も100人を超える大規模な葬式を行うことが一般的でした。

しかし、現在では本人もしくは家族の葬式に対する意識が大きく変化して小さな葬式を選択するケースが増えています。日本消費者協会が2014年に出版した”第10回「葬儀についてのアンケート調査」”では自分自身の望ましい葬儀のかたちについて「費用をかけないでほしい」・「家族だけで送ってほしい」との回答が50%を超えており半数以上の人が費用を掛けずに家族を中心とした葬式を行うことを希望しています。

本人が望む葬儀のかたち

なお、家族葬という言葉の意味についての問いには、「親しい身内だけで行う葬儀」との回答が64.5%を占め、ついで「静かに故人を送る葬儀」が14.8%と家族を中心とした親しい仲間内で葬儀を行うという意味で受け止められている。

訃報を知らせる相手を段階別にリストアップしておく

家族葬は新しい葬式スタイルなので、人によっては批判的な考えを持つことも多い。実際に日本消費者協会が行なった”家族葬”の調査にも「自分勝手な人」とか「一人で生きてきたわけでないので、親戚や地域に連絡して葬儀は執り行うべきだと思う」などの意見もよせられています。

その一方で「世間体やしがらみにとらわれず、本当に付き合いのあった大切な人に集まってほしい」・「亡くなった人の条件によると思う。90歳以上の高齢者であれば簡素に、そうでなければ少し華やかとまではいかなくても、花いっぱいにして送りたいし送られたい。家族葬もいろいろだと思う。」などと肯定的な意見では付き合いの深い人を中心に葬式を行ないたいという意見が多い。

ただ、家族葬や小さなお葬式は一般葬と違い、危篤やご臨終時の連絡および通夜や葬儀へ招待する人とそうでない人への対応は、別々に考えておかなければなりません!

家族葬は一般葬と違い細かい配慮をしておかないと後々で揉めますよ!

例えば、身内が亡くなってすぐに親族や友人および会社関係者へ連絡をしてしまうと、いくら小さな葬式で済ませようと家族葬を選択しても通夜や葬儀に参列する会葬者の数が予想を上回ることも考えられます。

他にも、一緒に住んでいなければ両親の交友関係について、知らないことのほうが多いのではないでしょうか?いくら電子メールや携帯電話に連絡先のリストがあるからといって故人の所有物を勝手に触るのはプライバシーの権利から好ましくありません!

そのようなことから、訃報を知らせる相手を大きく4つの段階に分けて、家族が元気なときに話し合いをしてリストアップしておくと「もしも」のときに慌てずにすみますし、葬式もスムーズに進みます。

4つの段階に分けて訃報通知リストを作成しておく

1:危篤・臨終時の連絡
危篤や臨終時に傍にいてほしい人の連絡先、親戚や生前とくに親しかった友人はすぐに連絡をとり駆けつけてもらうとよいでしょう。
2:通夜・葬儀を行うときの連絡
葬式の日取りをきめてからの連絡。通夜や葬式に参列したもらう人には直接連絡する!
3:火葬後および忌明け(四十九日)後の連絡
火葬や初七日法要がすんでから、あるいは忌明け法要(四十九日)がすんでからの連絡。家族だけで葬式をすませたことを知らせ、生前の交流に感謝の意を伝える。
4:喪中ハガキでの連絡
身内が亡くなった事を知らせ、葬式を終えたことや年賀状の辞退を知らせる。

家族葬や小さな葬式などを行うときは、費用面を考えて葬式を選ぶと失敗するケースが目立ちます。少人数で行う葬式は、本人や家族のみで決めるのではなく親族を交えて本人の意向や趣旨をしっかり伝え、後々トラブルを起こさないように根回しをする必要が出てきます。

確かに、以前の大人数の葬式では家族は休む間もないくらい忙しく数日を過ごし、故人とゆっくりした時間を持つことが出来ないので葬儀の意味を問われても仕方のない事ですが、『故人との縁』を紡ぐということでは家族が知らない故人の一面を知り、それがキッカケで悲しみを和らげることが出来たのではないでしょうか?

少人数での葬式を行うときは事前に親族との話し合いをしておく

どのような葬式のカタチがよいのかは、家族によってそれぞれですが人間社会は一人で生きていくことが出来ない以上、多かれ少なかれ誰かの世話になったり誰かを世話したりと支えあって暮らしているはず!

そう考えると、家族内で話し合って決めましたと一方的に「家族葬」を行うのではなく、親族の意見も耳を傾けてお互いが納得できる葬式をすることが大切だと思います。