相続時に、親や兄弟(以下:被相続人)が残した財産を巡り、親族間で骨肉の争いを繰り広げるケースが増えているにも関わらず、『遺言書による財産分与』という考え方がなかなか広まりません!

この背景には、財産を残す側である被相続人と受け取る側である相続人との間に考え方のズレが生じているため・・・

相続時にトラブルに見舞われるケースでは、被相続人および相続人双方の考え方に大きなズレが生じており、被相続人からすれば「仲の良い兄弟姉妹なのだから遺産の分配に関しても話し合いで円満に解決できるだろう」と考える一方。。。

ほとんどの相続人は「生活が苦しかったり、急な出費の穴埋め費用として、貰えるものは全て欲しい」と考え、法定相続分を巡り自分の取り分を主張し、半ば強引に財産を分割してしまった結果、親族間で修復不可能な傷跡ができてしまう・・・

典型的な例として、被相続人が残した財産が住んでいた家と土地のみしかないのにも関わらず、複数の相続人が民法に規定されている「法定相続分」を主張した結果、被相続人の配偶者が住んでいる家と土地を売却しなければならなかったということはよくある話です(泣)

このようなケースでは、被相続人が遺言を用意していなかったため、結果として相続人同士が争い、相続後の人間関係に深いしこりが残ることが多い(汗)

まぁ、被相続人が遺言書を用意していなくても、相続人同士の話し合い(分割協議)によって問題なく相続を終えるケースもありますが、残念ながら、そのようなケースはとても珍しく、反対に財産の多い少ないに関わらず相続時の遺産分割トラブルは右肩上がりで増えているのが現状です・・・

遺言は『愛する者へ贈る最後の言葉』として被相続人が残す気持ちの集大成!!

遺産相続でトラブルを避けたいのであれば、①:被相続人の意思による遺言書の作成 ②:被相続人が元気なうちに、相続の話し合い(分割協議)を重ねながら、双方が納得できる妥協点を探りながら財産の分配方法について話を詰めていく など常日頃から相続問題について関心を持ち積極的に話し合いを行なう必要があります。

遺言書の重要性については民法でも規定されており「被相続人の残した遺言については指定相続として、民法で定めた法定相続よりも優先される」といった大原則に基いて遺産の分配が行われる!

つまり、「どのような財産であれ、残された財産を誰にどのくらい分配したいのか・・・まずは、被相続人自らの意思で決めた遺言の内容を優先する」ということですね!
 
遺言によって、被相続人の意思がハッキリとしているのであれば、未然に相続争いを防いだり、相続そのものを円滑に進めることもでき、且つ遺言によって本来であれば、相続権がない人にも財産分与することが可能となります!

相続では、被相続人が自らの意思で「誰にどのような形で遺産を分配するのか」について最終的な気持ちを伝える手段として「遺言書の作成」は有効な手段なのです!!

しつこいようですが・・・どうのような形で財産を管理および整理し、分配を行なうのか・・・相続人同士がトラブルに陥らないよう、被相続人自身が死んだ後の方向性を明確にする意味でも、遺言書を作成することは、もはや被相続人の義務といっても過言ではないでしょう!

  • 遺族間の相続トラブルを防ぐ為に有効な手段として『遺言書』は重要な役割を担う
  • 被相続人の意思を表す『遺言』の内容は法定相続よりも優先される

できれば遺言書を作成しておくと相続時の紛争が回避されやすいケースは8つ

戸籍上は夫婦関係を結んでいない相手(内縁の妻もしくは夫)に財産の一部を譲りたい

法律上では婚姻関係を結んでいない内縁の者(妻もしくは夫)には相続権が発生しません!なので、遺産を残すためには遺言書による指定の方法と、内縁の者自らが家庭裁判所に特別縁故者としての申し立てを行い認定される必要がある!

相続権のない人に遺産を残したい!

お世話になった子供の配偶者や知り合いに財産を贈りたいもしくは、本来であれば相続権のない孫や兄弟に財産を残したい場合に、遺言書による指定が必要!

配偶者や子供がおらず両親や祖父母もすでに他界しており相続人がいない場合!

相続人がひとりもいない場合の遺産は、利害関係者に債権の支払いを済ませた残りの遺産を国が没収します。ただ、特定の人や団体に遺贈するとか、寄付を考えているのであれば、遺言書に遺産の処分方法を指定することが必要!

配偶者はいるが子供がいない夫婦の場合

夫婦に子供がいない場合、遺産の分割方法は配偶者が4分の3、残りの4分の1を直系尊属である被相続人の両親や祖父母が受け取ることになります。 

ただ、配偶者に全財産を相続させたいと望むのであれば遺言書に「配偶者に全財産を相続させる」と書くことで、被相続人両親や祖父母が遺留分を主張しても、配偶者は全財産の6分の5を相続することが可能となる。

なお、子供がいない場合で、両親や祖父母がすでに他界しているが被相続人の兄弟姉妹がいるケースで、遺言書に「配偶者に全財産を相続させる」と書くと、配偶者は全財産を取得することが可能となる!※兄弟姉妹が遺留分を求めることはできない!

いろんな事情で相続関係が複雑になっている場合

再婚をしていて、現在の妻にも前妻にも子供がいる場合、子供に法定相続分と異なる遺産を残したい場合は、遺言書に相続分や遺産の分割方法を指定する必要がある。

認知していない子供(養子関係のない)に遺産を残したい!

被相続人が生きている間に、事情があって認知できなかった子供については、遺言書で「認知する」までの内容を記載することで、その子供は法定相続分と受け取ることが可能となります。

なお、お腹の中にいる胎児についても、遺言書で「認知する」までの内容を記載することで法定相続分を受け取ることが可能!

認知した子供(養子関係のある)に遺産を残したい!

再婚をして血縁関係のない配偶者の子(非嫡出子)を養子にした場合の法定相続分は血縁関係ある子(嫡出子)の2分の1と遺産の取り分が少なくなりますが、法定相続分よりも多く遺産を残したい場合には遺言書に、相続分や財産の分割方法について指定する必要がある!

家業の後継者をしていしたい場合!

被相続人の事業を、配偶者もしくは子供らに継がせたいと考えている場合、紛争を最小限に抑える為にも、遺言書に後継者を指定し事業の継続に必要な土地や店舗、工場、農地などの相続方法や他の相続人への財産分割方法について指定しておく必要がある