遺産相続では「遺言による相続は法定相続に優先する」と規定されており、遺産分割時に被相続人が「遺言書」を残している場合は、遺言書の内容を優先して手続きを開始します。

多くの場合、相続人それぞれの家庭事情や人間関係が複雑に絡み合い、必ずしも法定相続による遺産分割が正しい選択だとは言い切れないケースがほとんどではないでしょうか(汗)

そのため、被相続人が遺言を残しているケースでは、遺産分割時に被相続人の意思を尊重することで、相続人同士の紛争を最小限に抑え、相続そのものを円滑に進めることが可能となります。

また、被相続人が遺言を残しているのであれば、本来相続権が認められない人もしくは団体に財産の一部を譲渡することも・・・

最近では、被相続人が遺言を残している場合でも相続人同士のトラブルが起きてしまう事例もありますが、それでも、遺言を残さなかった場合に比べると遺産相続時のトラブルは回避できています!

どの財産を誰に、どのくらい相続させるのか・・・ 遺言により被相続人の意思を明確にすることは、相続人同士のトラブルを防ぐ手段として、もっともシンプルな抑止力となるでしょう!

もはや、財産の有る無しに関わらず、残された遺族の今後を真剣に考えるのであれば、意思を明確に伝えることが出来る『遺言書』の作成は避けて通れません!

遺言で効力を発揮するのは①:身分 ②:財処理 ③:相続の3つの内容のみ・・・

基本的に、遺言書には何を書いても構いません!ただし、書かれた内容全てが有効となるのではありません!

遺言として法的拘束力が発生する為には①:身分に関すること ②:財産の処分方法 ③:相続の指定といった3つの内容についてのみ!

なお、遺言書に「養子と養子縁組を解消する」とか「死後、配偶者との婚姻関係を解消する」など被相続人が一方的に養子縁組や婚姻関係について触れても法的効力は発生しません!

それと、基本的に1通の遺言書に夫婦2人が共同で遺言を残す連名遺言についても法的効力は発生しないので、遺言書の氏名記入時に連名で書くことのないよう注意すること!

①:身分に関すること

子供の認知
「婚姻関係のない相手との子供」と親子関係を認めること。母親の胎内にいる子についても記すことが可能!
未成年者の成年後見人および後見人監督の指定
指定相続人が親のいない未成年者である場合、後見人を指定することができるほか、後見人を監督する後見人監督人の指定ができる!

②:遺産の処理に関すること

遺贈の指定
法定相続人以外の者に遺産の一部もしくは全部を譲渡する場合は贈与の指定ができる!
寄付の指定
特定の企業や人、もしくは財産法人を設立する場合は、寄付の指定ができる
信託の設定
財産の一部および全部を、特定の信託銀行に預けて、管理や運用をしてもらうことが可能!

③:相続に関連すること

遺産分割の禁止
相続開始から約5年の期間を定めて、遺産分割を禁止することができる!
特別受益の持ち戻し免除
相続財産とみなされたうえで、相続分から差し引かれる生前贈与や遺贈によって得られる特別受益分を差し引かれないよう免除することができる!
相続分の指定および委託
法定相続分とは異なる書く相続人の相続分を細かく指定することができる。それと、第三者への相続分を委託するすることも可能!
遺産分割の指定および委託
財産をどのように分割するのか、具体的な分割方法を指定することができる。また、弁護士や税理士など第三者へ分割方法の指定を委託することも可能!
遺言執行者の指定および委託
遺言内容を実行するために必要な遺言執行者を指定したり、法定相続人以外の第三者に委託することが可能!
相続人の廃除もしくは取り消し
過去に排除された相続人について取り消しをしたり、新たに相続人の廃除することができる!
お墓や仏壇を管理する祭祀承継者の指定
先祖の祭祀を主催したり、お墓や仏壇などを受け継ぐ者を指定できる!

今回のまとめ

  • 遺産相続では、法定相続分よりも遺言による相続が優先されることが大前提
  • 全ての遺言内容が法的効力をもつのではなく①:身分 ②:財産分割 ③:相続にの内容に限定される
  • 遺言で養子縁組や婚姻関係に関連する内容を指定しても法的効力が発生しない!