生きている間は、いつでも遺言内容を変更したり撤回してもOK!

被相続人が自身の死後を見据え、財産処分の方法や相続について記録した遺言書は、被相続人が生きている間であれば、何度でも遺言内容の一部を変更したり、もしくは内容全てを白紙撤回して最初から作り直すことができます。

また、遺言書を作成したからといっても、被相続人(遺言者)が生存中であれば、いかなる義務も権利も発生しない!

遺言書作成後でも被相続人は全ての財産を賃貸したり処分することができる!

例えば、遺言書に「3階建ての賃貸住宅の土地と建物は長女に相続させる」と書いたとしても、その後、被相続人の気が変わり

「3階建ての賃貸住宅の土地と建物は長女と二女および三女に相続させる」と遺言内容の一部を変更したり、遺言内容を白紙撤回して3階建ての賃貸住宅の土地と建物を売却しても何ら問題はありません!

まぁ、遺言書を作成しただけで、財産を自由に処分できなくなる事のほうが普通じゃないような気もしますね(汗)

イ):遺言内容の一部を変更もしくは撤回する!

遺言内容の一部を変更もしくは撤回するの方法は、『遺言書の方式』によって手続きのやり方が異なります。

①:自筆証書遺言: 法律で決められた加除訂正の方法に従って、文書を作成した被相続人本人が直筆で原文に手を加えます。

②:秘密証書遺言: 遺言作成の際、公証人が内容を確認したうえで封印してあるものについては、残念ながら、文書を作成した被相続人であっても開封して内容を変更することはできません!

なので、作成した秘密証書遺言の内容について、変更および撤回するのであれば、最初から遺言書を作り直さなければならない(汗)

③:公正証書遺言: 遺言を作成した公証役場に直接出向き、訂正を申し出るか、もしくは秘密証書遺言と同様に最初から遺言書を作成します。

なお、遺言内容の一部変更もしくは撤回を行なう場合は、以前作成した遺言方式と同じでなくても構いません!

ロ):遺言内容を全て撤回し白紙に戻す!

遺言のすべてを一度白紙に戻したい場合、自筆証書遺言や秘密証書遺言であれば破棄したり焼却して処分すれば済みますが、公正証書遺言の場合はそう簡単ではありません!

公正証書遺言の内容を白紙撤回するには、公証役場へ出向き「破棄の申請」手続きをするか、もしくは新たに「撤回する旨の遺言書」を作成します。

なお、変更および撤回する旨の遺言者を作成する場合は、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言のどちらで作成しても構いません!

ハ):遺言書が2通以上あっても基本的に日付が新しい遺言書が有効となる

民法では「遺言は、遺言者(被相続人)の最終意思の確認を尊重する」としており、被相続人が作成した遺言書が複数ある場合は、日付が最も新しいものが有効となります。

これは、遺言内容について、一部のみ書き直したケースや全部書き直したケースのどちらにも当てはまります。

それと、日付の新しい遺言に古い遺言内容と同じ内容が書かれているときは、その部分に限り新しい遺言内容が有効とされ、古い遺言内容の部分もそのまま有効となります。

ニ):遺言内容を変更もしくは撤回して新しい遺言書を作成したら古い遺言書は破棄すること!

遺言内容を変更もしくは撤回した際は、古い遺言書を破棄すること! 被相続人本人からすれば遺言の内容を確認する目的で保管しておくケースがほとんどだと思いますが、いざ相続となったとき、遺言書が複数の場合、トラブルの原因になる可能性が高まります(汗)

相続時の混乱を避けるためにも、できるだけ書き直して不要となった遺言書については破棄もしくは焼却することが望ましい!

  • 被相続人本人が存命中であれば、遺言の変更・撤回はいつでもできる!
  • 被相続人が存命中は、遺言内容に法的効力が生じることはない
  • 新しい遺言の作成方式は、古い遺言と同じでなくても良い
  • 遺言書が2つ以上ある場合は、常に新しい日付の内容が優先される